ミテイルセカイヲシンジルナ

ある方法論を学んでいるとき、その効率性や便利さに感嘆するとともに、ある種の不安感を覚えることがある。それは、その方法論以外の手段という可能性を捨てる、という不安感である。これは言語にも当てはまる。何故ならば言語は思考の方法論であるからだ。…

マックフライポテトL夜食かな

マックフライポテトL夜食かな 九月、依然として、馬鹿馬鹿しいほどに、非現実的に、アツい!「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」 風によって秋の到来がわかる、と藤原敏行さんは言った。風は変わった。秋は確かに来ているのだろ…

面倒なものの面倒

友人と飲んでいたときのこと。詳細は忘れたが、私がGKで出会ってデートをした相手に、ある事柄を話さなかったことがあった。友人はそれを指摘し、「なぜ相手にその事柄を話さなかったのか」と問うた。私は「知り合ったばかりの人に、分かってもらうのも面…

ハロウィン

(シゲシホ=妖怪漫画家)

総務の品格

「編集は一度失敗しても次の企画がよければ挽回できる。でもね、総務の仕事はそうじゃない。120%やってもみんな当たり前だと思っているの。1つでもミスがあれば、その時点で怠慢だと思われるわ。だから総務の仕事は厳しいのよ」 私が「総務」という職種…

リアルとヴァーチャル

オンラインゲームというのは、どうも人を虜にするものらしい。 "オンラインゲーム 廃人"といったワードを検索エンジンに投げてみると虜となった人達の事例を見ることができる。彼らの中には、人生を大きく変えてしまった人も少なくない。 なぜこの様な事に至…

花カンナ脳の何処やら痒きこと

➀ツイッター。ネーミングはキュートだけど、もはや「つぶやき」というほどささやかな存在じゃなくなっている感じ。「フォローミー」って言っちゃうし。 ➁ひとりごと。村上春樹に「飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」という…

行きつ戻りつ➁

イタリアに行ってきた。 力強いローマと、街並みが心に染みるフィレンツェと。ピザ屋少年マヌエラと出会い、マスク職人のおっちゃんと別れを惜しむ。嗚呼素晴らしきイタリアの日々よ!ビーノビアンコ・プリファヴォーレ(白ワインください)! すっかり伊か…

躑躅

(シゲシホ=妖怪漫画家)

ドッペルゲンガー

先月、電車の中で財布をなくした。 当初は落としたと思っていたのだが、その後、数万円程度クレジットカードが不正使用されていたことがわかり、意図的に盗まれたかもしくは悪意ある人間が財布を拾ったということになった。 まさか私がこうした被害にあうと…

動作知

朝起きて目玉焼きを作るとき、自分は目玉焼きの作り方を知らなかったとする。今日であれば、その問題はインターネットによる情報検索という行為によって解決される。目玉焼きを作るといったような、低難易度の動作の場合、この解決で問題はない。 それでは、…

家猫は看取られて逝く十七夜

家猫は看取られて逝く十七夜 友だちの飼い猫が死んだ。享年十八歳。旅行中のおばさんを昏睡ながら待ち、ちゃんと挨拶して逝ったのだと。 昔、祖父母の家の猫・マルも、マルを一番可愛がっていた従兄弟の帰郷を待って、従兄弟の手の甲をペロリと舐め、何処か…

行きつ戻りつ①

GKで知り合ったAさんと、連絡が途絶えた。Aさんとは、ひと月半くらいの間に4回デートをした。1、2回目は食事、3回目は水族館。水族館は個人的な趣味もありとても楽しく、ムフフ…と思った。違いを感じることがあっても(メール絵文字使用量、外泊の可…

心労

(シゲシホ=妖怪漫画家)

結婚しないこと

今年にはいって5人の友人から結婚式へ招待されている。 友人の結婚はとても喜ばしいことであり、心から祝福しているし、この気持ちに嘘偽りは決してない。しかしながら、私自身は一生結婚しないと心に決めている。この決心は新しいものではなく、小学校卒業…

理想と欲望の間で

子供は純粋だ。自分が好きなものに全力を投じる。つまらないものには見向きもしない。だから、その興味を向けられる側にとっては残酷な世界であり、子供から笑いをとることは、子供を感動させることにつながる。かつての自分もそうであった。私はレゴや積み…

貧血の友と見る海盂蘭盆会

貧血の友と見る海盂蘭盆会 八月の句会には、三分の一くらい、戦争絡みの句が出される。忘れちゃいけない、伝えなければ。 一年に一度でも、そういう気持ちになることは悪いことじゃない。でも、作品の議論にならずに、命や平和や、戦争についての思いが行き…

愛はかげらう

死者が還ってくるというお盆の時期は、過去との邂逅も多くあるのだろうか。続けざまに古い知人と飲んだ。中学と大学の時に知り合った男性3人。お互いに今の生活があって、それなりに長いブランクがあって、向かい合って飲んでいる。話が結婚・恋愛に及ぶと、…

小林真央ってどう思う?

(シゲシホ=妖怪漫画家)

誰の為の人生か?

自らの恥を晒すようで恐縮だが、この春から見事に就職試験に落ち続けている。何百社エントリーし、何十社面接を受けただろうか。そんな私に周囲の方々は「こんな時代だから仕方ないよ」と気遣ってくれる。そのたびに就職が決まらないことをひどく申し訳なく…

人間だもの。

餓死するかと思った。 と発言をした後、その自分の安易な言動を後悔した。それは、時間が取れず、漸くの食事にありついた時の発言である。 そして、私はその前日までカンボジアを旅していた。その地で、食事代を稼ぐべく必死にものを売りに来る子供たちを目…

イタリアーノのひとみ海色盂蘭盆会

イタリアーノのひとみ海色盂蘭盆会 街はすっかり、お盆休みの気配だ。出社してはいるが、急いでやらねばならないことはない。 ランチへ行くと、ランチメニューの飲物に、グラスビールも含まれている。「ノミモノナニニシマスカ、コーヒー、コウチャ?」「グ…

もつと事情。

「GKでデートまでしたいって人はそうそういないね」と隊長。(注:隊長はGK部きっての素潜り名人で、彼女が行くところ常に新しいGKがある。自分はなかなかイイ人に巡り合わず、豪快に酒を飲む。私がGKで知り合い付き合うまでに至った唯一の人は、こ…

氷菓道

(シゲシホ=妖怪漫画家)

8月15日の明治神宮

毎年、終戦記念日の8月15日には東京・九段下にある靖国神社にできる限り参拝することにしている。理由はいくつかあるが、やはりA級戦犯も含むすべての戦没者に手を合わせるためである。今年も例年のごとく靖国神社へ向かった。靖国神社周辺ではこの日、様々…

その金色に思う

好きな言葉はなんですか?と聞かれたら「とりあえず生」と答えるだろう。無人島にただ一つ持っていくとしたらなんですか?と聞かれたら、「スーパードライの生ビールサーバー」と答えるだろう。 そう、私は大のスーパードライ好きなのだ。そして、あのキレは…

さるすべり絆創膏におさまらぬ

さるすべり絆創膏におさまらぬ 会社の子が、自転車で転んだと、両肘にデカい絆創膏を貼って現れた。 大人になって転ぶととても痛いんだよね、心的ショックも大きい。昔、酔って自転車に乗ろうとして、転んだことがあるのでわかる。痛さと、自転車に乗れない…

GK向いてないの壁

恐れを知らぬ海女のように果敢にGK海に飛び込んでいく我ら部員にも、スランプはある。スランプ期は、どんなにその場は盛り上がっても、先方からメールが一通も来なかったり、どんなに甘く採点をしても、誰にも一ミリの魅力も感じられなかったりする。それ…

電車

(シゲシホ=妖怪漫画家)

納税の責任

私たちは義務教育で勤労、教育、そして納税という「国民の義務」を学ぶ。しかしながら、なぜそうした義務が発生するのか、ということについて深く追求することはあまりない。とくに「納税」については、その義務を果たさなければ自らが汗水垂らして築いた資…