行きつ戻りつ➁

イタリアに行ってきた。
力強いローマと、街並みが心に染みるフィレンツェと。ピザ屋少年マヌエラと出会い、マスク職人のおっちゃんと別れを惜しむ。嗚呼素晴らしきイタリアの日々よ!ビーノビアンコ・プリファヴォーレ(白ワインください)!

すっかり伊かぶれした私は、それでも愛について考えることを忘れなかった。道には欧米の若いカップルはもちろん、白髪の夫婦も仲良く歩いており、とても感じが良かった。一緒にいた友人と「感じが良い」とはどういうことかを考え、それは「じつに自然である」ということではないかと結論付けた。

翻って今までの付き合い方を思う。私はあまり化粧が濃い方ではないのだが、彼氏にもっと化粧をしろ、とか、女らしい服を着たら、とか言われた。私は確実に傷ついていたのだけれど、相手は気が付かず、私も我慢していた。それは「自然」だったのかどうか。

インド系の奥さんにフランス系の旦那さんの仲良し夫婦もいて、二人の間にどんな交流があったのだろうと思った。ファッション、宗教、食べ物と、私の例とは段違いの齟齬があったのではないかしらん。でもきっと、自分の軸を大切にする人は、相手の軸もぶらさずに済むように愛でもって包みこむのではないか。それは出会いがGKだろうと一目ぼれだろうと、恋愛の一番エスプレッソな部分なのだ。

全ての道はローマに通ず!(キューピー小村=GK〈合コン〉部長)