リアルとヴァーチャル

オンラインゲームというのは、どうも人を虜にするものらしい。
"オンラインゲーム 廃人"といったワードを検索エンジンに投げてみると虜となった人達の事例を見ることができる。彼らの中には、人生を大きく変えてしまった人も少なくない。
なぜこの様な事に至るのか。それは、彼らにとって現実世界を生きるよりも、ゲーム内の仮想世界を生きている方が楽しいからである。そこで職業を持ち、財産も所有する。まさにリアルとバーチャルの逆転である。
では、次の様なものを作るとしたらどうだろう。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着し、ベッドに横たわる。HMDにはゲームの画面が表示され、手には操作用のコントローラを持つ。腕には肉体を生かすためだけの点滴が装着される。
これはまさに仮想世界を生きるためだけの装置だ。仮想世界と現実世界にリンクを持たせて、ゲーム内での働きを現実での働きにつなげられれば(それは難しいが)、社会的貢献性も生まれる。その人は仮想世界のみ生きれば良い。“ネトゲ廃人”にとっては天国とも言えるべき環境となりうるのではなかろうか。
このような光景を思い描くとき、映画マトリックスの人間養殖機の映像が脳裏をよぎった。マトリックスの世界の大半の人間は、機械によって仮想世界上を生かされているだけの存在だ。これもまた人間の将来の一つの例なのではなかろうか。(taxpon=ITエンジニア)