人間だもの。

餓死するかと思った。
と発言をした後、その自分の安易な言動を後悔した。それは、時間が取れず、漸くの食事にありついた時の発言である。
そして、私はその前日までカンボジアを旅していた。その地で、食事代を稼ぐべく必死にものを売りに来る子供たちを目の当たりしてきたのである。
カンボジアといえば、長い内戦により国民が非常な苦労を余儀なくされた国の一つである。その影響か、15年以上前は街中に武器が溢れ、まるで虫を殺すかのように人間が殺される、といった状況であったそうだ。近年治安は向上したものの、未だに貧しい人は多い。
そんな話を、現地ガイドから聞き、現地の人と触れ合い、自分の心に衝撃を与えた。
3歳かそこらの子供が必死に物を売る姿はショックであった。それにもかかわらず、冒頭のような発言を安易にしてしまった。
所詮、私は平和ボケしている人間なのだと実感せざるを得なかった。
自分がより深くこの国のことを考えるためにできることは何であろうか。
それは、まず勉強してみること。
歴史や現状を勉強し、自分で噛み砕くことで、激しい体験を身につける。そこから自ずと次の一歩が見えてくるはずだ。
世界では未だに戦火にさらされ続けている人がいる。家族と笑いながら食卓を囲むことが出来ない人がいる。
その人達を思うとき、何もせずにはいられない。
人間だもの。(taxpon=ITエンジニア)