もつと事情。

「GKでデートまでしたいって人はそうそういないね」と隊長。(注:隊長はGK部きっての素潜り名人で、彼女が行くところ常に新しいGKがある。自分はなかなかイイ人に巡り合わず、豪快に酒を飲む。私がGKで知り合い付き合うまでに至った唯一の人は、この隊長がお見合いパーティーなるものに潜入して連れて来た人であった。)
レバ刺しを食べ、私はこう返す。「隊長は美人だし、評判も良いのに、自分でシャッターを下ろしているよね?」ルーキーが口を挟む。「私もそうです!私には恋をする準備ができていないんです!」(注:ルーキーはGK部の最若手で、休日にうどんを打つような落ち着いた精神の持ち主。学生時代に悲惨な失恋を体験しており、それは私自身の体験と良く似たもので、ルーキーの進捗は何となく他人事でないのであった。)
煮え立つ鍋の湯気の向こうで、「デートしても進展が見えないこともあるよ・・・」とマドンナがつぶやく。(注:マドンナはGK部が誇る美女で、性格は控えめ、その微笑みはマリアの如し。GKで数々の秋波を足蹴にしてきた彼女が、見つけた恋の相手は会社の同僚なのであった・・・最近はデートを重ねている。)
「皆さん面白いですね〜今度飲みましょう!」ともつ鍋屋店長。(注:店が暇なのでさっきから一緒に飲んでいる向井理似、好きなタイプは家事の出来るコ。)(キューピー小村=GK<合コン>部長)