面倒なものの面倒

友人と飲んでいたときのこと。詳細は忘れたが、私がGKで出会ってデートをした相手に、ある事柄を話さなかったことがあった。友人はそれを指摘し、「なぜ相手にその事柄を話さなかったのか」と問うた。私は「知り合ったばかりの人に、分かってもらうのも面倒だから」と答えた。そして友人は言った。「付き合うということは面倒なことを互いに引き受けることだ。その態度はおかしい」と。

私は盲点を突かれた思いだった。そして「面倒だ」という自分の放った言葉にも驚いた。GK部長を名乗りながら、いつしか真っ直ぐなGK道を外れてしまったか。私は猛省した。

さて、私が「面倒だ」と言ったのは、相手を受け入れることではなく、自分の何ごとかを伝えようとすることに対してである。「何ごとか」なんてオブラートに包んでも仕方ない。正直にいえばそれは自分のマイナス面、コンプレックス、トラウマなどである。他人のはいい、けれども自分のは見せたくない、そんなドス黒いものたちが確かに、私の中で息を潜めていたのだった。

開けずに済むなら一生そのままにしておきたいパンドラの箱。けれども開いて受け止めてくれるものなら受け止めて欲しい気もする。面倒な、あまりに面倒なその作業を、まずは誰かにお願いする勇気を私が持たなくては。
そんな決意と共に、次のGK会場を予約する秋の夜長である。(キューピー小村=GK〈合コン〉部長)