GK部長、現る。

 以前勤めていた会社は女性ばかりで、しかもよく遊ぶ同僚は皆彼氏がいなかった。ランチは自然と恋の話になるのだが、過去の恋愛をほじくり返すか、「こんな彼氏がいい」と夢見がちになるしかなかった。そのうち過去も夢も語り尽くしてしまって、ハタと、「このままじゃどうしようもない」。どうしようもないから合コン(以下GK)でも行くか、となって、私と3人(当時)の仲間は、GKの世界へ足を踏み入れた。
 初めてのGKは銀座コリドー街だった。あまりにも緊張して、私はサスケの長野みたいに背中を叩いて気合いを入れてもらいさえした。お酒の力で会話を進め、内容のない話をとめどなく、けれども相手の反応には注意深く、という、今から思えば幼稚な、ストレスの多いGKをやった。つらかった。「こんな疲れることをしなければ恋もできないのか」と思い、そんな境遇の自分を恥じた。
 遅ればせながら、私はGK部の部長である。“コリドー街の洗礼”を受けてから、もう50人以上の男性とGKで出会ってきた。誰からもメアドを聞いてもらえない夜。いいなと思っていた人が友人を気に入った夜。不甲斐なさの向こうで、かつての恋を思い出して涙した。そうして、私は部長になった。
 私のGK論を12回にわたって綴りたい。「自然な出会いが一番」だと信じている、かつての私のような、純粋な愚か者のために。(キューピー小村=GK部長)